交通事故による後遺障害について

③-2 後遺障害等級認定の特殊な場合 ― 併合、準用、加重

自賠責保険における後遺障害等級の認定は、後遺障害等級が定める「後遺障害」に当てはめる方法を原則としますが、例外的に以下の3つの準則により認定することもします。

(1) 併合

たとえば、系列を異にする複数の後遺障害がある場合には、最終的には一つの等級として認定する必要があり、このような場合に用いる手法を「併合」といいます。

この場合は、具体的には次のように取り扱います。

① 別表第二の5級以上の後遺障害が2つ以上ある場合 → 重い方の等級を3つ繰り上げる

② 別表第二の8級以上の後遺障害が2つ以上ある場合 → 重い方の等級を2つ繰り上げる

③ 別表第二の13級以上の後遺障害が2つ以上ある場合 → 重い方の等級を1つ繰り上げる

④ 上記以外の場合 → 最も重い等級を、最終的な等級とする

 

(2) 準用

自賠責保険の後遺障害は、自賠法施行令別表第一及び第二に定められており、後遺障害等級はこれに当てはめて行うのが原則です。

しかし、現実に発生する障害は後遺障害等級表に載っていないものもありますから、これに該当しない後遺障害についても、その程度に応じて各等級に相当するものとして等級を定めることとされています。

このような手法により決められる等級を「相当」といいます。

この「相当」の手法による例としては、次の2つが挙げられます。

① ある後遺障害がいかなる後遺障害の系列にも属さない場合 → その障害によって生ずる労働能力そう失の程度を医学的検査結果等に基づいて判断し、その障害が最も近似している系列の障害における労働能力そう失の程度に相当する等級を準用等級として定める。

② ある後遺障害が属する系列はあるが、該当する後遺障害がない場合 → この準用等級を定めることができるのは、同一系列に属する障害群についてであるので、この場合は、同一系列に属する2以上の障害該当するそれぞれの等級を定め、併合の方法を用いて準用等級を定める。ただし、併合の方法を用いた気化、序列を乱すときは、その等級の直近又は直近会の等級を当該身体障害の該当する等級として認定する。

 

(3) 加重

すでに障害があった同一部位について交通事故による後遺障害が生じた場合には、「加重」の手法により処理します。

「加重」の手法を用いる場合には、以前からあった障害について既に支払った自賠責保険金を、加重後の後遺障害の保険金額から引いた限度で支払われることになります。