弁護士コラム

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旧優生保護法の無料電話相談のご案内

弁護士コラム 2019年1月28日

岐阜県弁護士会は、1月30日の午前10時から午後3時まで、旧優生保護法による強制不妊手術などの被害者やその関係者の皆様を対象とした無料電話相談を行います。

旧優生保護法によって、昭和24(1949)年から平成8(1996)年までの間に,本人の同意のない強制的な優生手術が約1万6500件行われたとされています。

岐阜県内でも、昭和55年まで約400人の方が対象になっていました。
このうち、64人の方について手術の適否を検討した資料が岐阜県歴史資料館に残されています。また、県内の医療機関にも82人分の資料が残されていることが、昨年の岐阜県議会において伊藤英生議員の質問に答える形で、岐阜県により明らかにされました。

このような経緯の下、岐阜県弁護士会でも、過去に電話相談を実施しましたが、現在のところ、岐阜県内の被害者の方からの相談は寄せられていません。

このように、岐阜県内において被害者が発見されていないのは、被害者の方が高齢で、また、そのほとんどが障害をお持ちの方が多いこともあって、自ら電話をかけて相談するのが難しいという事情があると思われます。

そこで、今回の電話相談でも、被害者本人からだけでなく、そのご家族や入所されている施設の関係者の方々など、広く、情報をお寄せいただきたいと考えています。

どうか、宜しく、お願いいたします。

日  時 : 平成31年1月30日 午前10時~午後3時
電話番号 : 058-265-2850

ブログ「岐阜の弁護士 杉島健二」は、こちらです。

台風で隣から看板が飛んできて、ウチの屋根が壊れた。賠償請求したい!

弁護士コラム 2018年11月8日

今年は、強い台風がいくつかありました。

台風のせいで、「隣の家の看板が飛んできて屋根が壊れた。」、「隣の木の枝が折れて車に傷がついた。」という相談がいくつかありました。

このような場合、相手に賠償請求できるでしょうか?

一般に、相手に損害賠償請求できるのは、相手に故意または過失(不注意や落ち度)がある場合に限られ、結果として損害が生じた場合にすべて賠償請求できるわけではありません(民法709条)。
これは、過失責任の原則といって、人は、一定の注意を尽くして行動すれば、結果として他人に損害を及ぼしても賠償責任を負わないとする考え方です。落ち度がない場合にまで広く賠償責任を負わされてしまうとすれば(結果責任主義)、行動が委縮してしまい、個人の自由や社会の活性化が実現されなくなってしまうからです。

また、建物などの工作物や竹木から他人に損害が生じた場合は、それら物の設置または保存(工作物の場合)や栽植または支持(竹木の場合)に瑕疵がある場合に限って、賠償責任が発生するとされています(民法717条)。危険な物から生じる損害については、過失責任主義を限定し、物に瑕疵がある場合などに責任を拡大するものですが、これも損害が生じた場合すべてに賠償責任を認めるものではありません。

これらを冒頭の例に当てはめてみると、以下のようになります。

まず、建物の場合は、設置や保存に瑕疵があるとき、例えば、看板が外れかけの状態であったとか、建物自体が老朽化して倒壊の恐れがあるときなどであれば、賠償責任が認められることになります。

また、竹木の場合は、大きな枝が折れた状態で今にも落ちてきそうなときとか、木全体が朽ち果てて倒壊しそうなときなどであれば、賠償責任が認められることになります。

このような結論は、被害を被った人にとっては酷かとも思われますが、反面、建物や竹木の所有者の立場からは、被害の結果を完全に防がないと賠償責任を負わされてしまうのは酷ともいえるでしょう。

建物や竹木の所有者(や占有者)はそれらの物の管理に注意するとともに、被害を被りそうな人は保険に入るなどしてリスクを分散する必要があるでしょう。

「弁護士と司法書士の違い」 - 札幌弁護士会のホームページから

弁護士コラム 2016年10月5日

「弁護士と司法書士の違い。」、「弁護士にできること、司法書士にできないこと。」などについて、わかりやすく解説されています(札幌弁護士会ホームページ)。

以下は、札幌弁護士会のホームページ(http://www.satsuben.or.jp/faq/shoshi/shihou01.html)の抜粋です。

Q 認定司法書士は、どのような相談でも受けてもらえるのでしょうか?

A 認定司法書士は、簡易裁判所における訴訟手続の対象となる紛争であって、紛争の目的の価額が140万円を超えないものについてのみ、相談に応じることができます。簡易裁判所が「訴訟の目的の価額が140万円を超えない請求」について裁判権を有することから、認定司法書士の受けることのできる法律相談にも「紛争の目的の価額が140万円を超えないもの」という上限があります。

したがって、認定司法書士は金額が140万円を超える事件について法律相談を受けることはできませんし、代理人となって相手方と交渉することもできません。また、当初、金額が140万円以下の事件という前提で法律相談や交渉の代理を始めたところ、途中で実は140万円を超える事件であることが明らかになった場合は、直ちに法律相談や交渉を中止しなければなりません。
なお、認定司法書士が代理できるのは、簡易裁判所における一定の手続とされています。したがって、認定司法書士は、金額が140万円を超えない手続であっても、地方裁判所や家庭裁判所における手続の代理をすることはできません。
さらに、認定司法書士は、簡易裁判所における以下の手続においても代理することはできません。

(1) 少額訴訟債権執行を除く強制執行に関する事項
(2) 借地非訟事件などの手続

弁護士には、以上のような制限はありません。

Q 司法書士に、離婚や養育費請求の法律相談を受けてもらえるのでしょうか?

A 認定司法書士であっても、簡易裁判所における訴訟手続の対象となる事件に関する法律相談しか受けられません。
したがって、そもそも金銭請求ではない離婚に関する法律相談を受けることはできません。また、養育費や財産分与の請求は、金額が140万円以下であっても家庭裁判所における手続の対象となる事件ですから、これらについても法律相談を受けることはできません。

弁護士には、以上のような制限はありません。

Q 司法書士に相続の法律相談を受けてもらえるのでしょうか?

A 認定司法書士であっても、簡易裁判所における訴訟手続の対象となる事件に関する相談しか受けられません。
交渉を要する遺産分割など、相続に関する事件は家庭裁判所における手続の対象とされています。したがって、認定司法書士がこれらの事件について法律相談を受けることはできません。

弁護士には、以上のような制限はありません。

本巣市 交通事故の被害者の方のための法律相談会のご案内

弁護士コラム 2015年11月27日

本巣市で、交通事故の被害者の方のための法律相談会を開催します。

日時 : 平成28年1月30日 午後1時~4時

場所 : 本巣公民館(岐阜県本巣市文殊324) 小会議室

 

交通事故にあわれて、困ってらっしゃる方、いらっしゃいませんか?

「交通事故にあってしまったが、保険会社とどうやって話し合いをしたらいいかわからない。」

「後遺障害の申請をしたいが、どうすればいいか教えてほしい。」

「保険会社から示談案を提示されたが、適正な内容かどうか分からない。」

「自分の周囲や知り合いに、交通事故のことを相談できる弁護士がいない。」

などという皆様、ご相談ください。

 

その他

料  金 : 無料です。

参加方法 : 事前にご相談のご予約をしていただいた方を優先いたします。

ご相談の予約は、058-215-7161 までか、もしくは、 こちらからどうぞ。

 

故意による事故や飲酒運転、無免許運転などの事故と自動車保険

弁護士コラム 2015年10月28日

故意に(わざと)事故を起こした場合や、飲酒運転、無免許運転など、事故態様が極めて悪質な場合、自動車保険は支払われるのでしょうか。

以下に整理していきます。

1 故意による事故の場合

(1) 任意保険

保険法第17条1項は、損害保険について、「保険者は、保険契約者又は被保険者の故意又は重大な過失によって生じた損害をてん補する責任を負わない。」と規定し、故意の場合を保険金の支払いをしない事由の一つとしています(「免責事由」といいます。)。また、保険法第80条1号は、傷害疾病定額保険について、同様の規定をおいています。

これは、故意によって事故を起こすということは、通常は何らかの犯罪が成立しますが、犯罪を成立させて保険金を受け取ることを認めてしまえば、それ自体社会的正義に反することですし、犯罪を誘発してしまう恐れがあることなどが理由とされています。

もっとも、対人保険や対物保険についても免責事由とすることは、被害者保護の観点から妥当でないとの意見もあります。

しかし、偶然に発生する交通事故の損害を分散したり、交通事故の被害者保護といった点が、自動車保険の本来の制度趣旨なので、さらに犯罪の被害者保護までも図ることは、自動車保険の本来の制度趣旨を超えてしまうことになってしまいます。そこで、故意の場合に自動車保険が支払われないのは、やむを得ないのではないかと考えられます。

もっとも、最高裁平成5年3月30日判決は、「本件免責条項は、傷害の故意に基づく行為により被害者を死亡させたことによる損害賠償責任を被保険者が負担した場合については適用されないものと解するのが相当である。」として、傷害の故意はあっても、殺人の故意のない場合には、保険金は支払われるとしている点に注意が必要です。

(2) 自賠責保険

自賠責保険についても、自動車損害賠償補償法第14条は、故意により事故を起こした場合について、保険金の支払いの免責事由になる旨の規定をおいています。

しかし、自動車損害賠償補償法第16条1項は、被害者から保険会社への直接請求権を認めており、保険会社はこの請求を拒否できません。自動車損害賠償補償法は、人身事故の被害者の救済を目的としているので、故意による事故の場合でも、被害者からの請求に対しては保険金を支払うこととされているのです。

そして、被害者からの直接請求に応じて保険金を支払った保険会社は、その分を政府に請求することになります(自動車損害賠償補償法第16条4項)。さらに、保険会社に保険金相当額を支払った政府は、故意に事故を起こした者らに対して、その分を請求することになります(自動車損害賠償補償法第76条2項)。

2 飲酒運転や無免許運転の事故の場合

保険法などの法律上は、故意の場合と違って、飲酒運転や無免許運転で起きた事故について免責事由としていません。

しかし、免責事由は、法律に定めのあるもののほかに、各保険契約の約款にも定められています。

そして、自動車保険は、大きく分けて、事故の相手側の損害を補償することを目的とする保険と、自分の側(や同乗者など)の損害を補償することを目的とする保険に分類することができます。

順にご説明いたします。

(1) 相手側の損害を補償することを目的とする保険

この種の保険には、賠償責任保険(対人保険、対物保険)があります。

この種の保険について、各保険会社は約款上も免責事由としていないのが通例です。

なぜなら、自動車保険の制度趣旨の一つである被害者保護の観点からは、何の落ち度もない被害者にとっては、加害者がたまたま飲酒運転や無免許運転をしていたからといって、補償を受けられないというのは妥当でないからです。

(2) 自分の側の損害を補償することを目的とする保険

この種の保険には、傷害保険(人身傷害補償保険、自損事故保険、無保険車傷害保険、搭乗者保険)や車両保険があります。

この種の保険については、各保険会社は約款上、免責事由としているのが通例です。

なぜなら、自ら飲酒運転や無免許運転といった違法行為をして事故を起こした者に、保険金を支払うのは公平ではないからです。

 

※ 以上簡単にご説明しましたが、どのような場合が免責事由となるかは、各保険会社の約款の文言や解釈により決まりますから、必ず、その事故に適用される保険の約款の文言をご確認ください。ご不明な場合は、必ず弁護士に相談されることをお勧めします。

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